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山岳ガイドが独断と偏見でチョイス。山のいろいろ評価録。
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先日、ヤマケイの取材で折りたたみ傘をいろいろ検証してきました。
山で使う折りたたみ傘をいくつかピックアップして、そのベスト3を決めるというものです。ヤマケイ6月号に掲載予定です。
そもそも、山で折りたたみ傘を使うというのは、賛否両論だと思います。
KGは肯定派です。
傘を使うデメリット(反対意見)というのは、、、
①片腕歩行になるので、危ない
②風にあおられてしまい危険又は意味を成さない
③狭い山道では通行の邪魔になる
④荷物になる
⑤手が疲れる
などでしょうか。
確かにそのとおりで、使う人はその場所や条件を認識しておく必要がありますね。なので、私も、人にはあまり傘をすすめはしません。①~③の条件を考慮していなければ、危ないからです。
ただ、メリットは絶大です。

傘の一番のメリットは、何よりも、フードをかぶらなくて良い、という点です。フードをかぶって歩くというのは、どうしても下向きになるし、雨とともに気持ちも沈んできがしです? でも傘はさにあらず。視界は開け雨の中でも周囲を見渡せます。6月の梅雨時期などは、山といえばもう新緑・新芽が吹き出し、緑満開です。雨に打たれた青葉は初々しく、生気を得たような森は、気持ちまで洗い流してくれるように感じます。傘は、集音の役目をはたしてもくれます。足音・雨音・森の音・虫や動物の音など、いままで聞き逃していた音が、軽やかに耳に入ってきて、気持ちがいいです。そんな味わいを体感すれば、雨は「やなもの」、から、「味わうもの」に変わってくるはず。

これだけでも、実に有利な道具だと思いますが、濡れないということのほうが、実用益がありますね。
まず、夏の時期であれば、暑いので、雨具をズボンだけで歩けます。大降りなら上着を着ても前のジッパーは全開できますね。(暑さ対策
それから、手首に水が入ってきません。とくにストックを使用している人なら分かるはずですが、手をひじより上に上げると、雨水が手首から浸入してきて不快です。またカメラをポッケにいれる、もしくはぶら下げていても大丈夫です。そして、傘をさしていれば、ザックがひどく濡れないのです。ザックカバーでは、どうしても背面の部分から水がしみてきます。傘があれば、この背面に雨があたらないので、大方濡れることはないでしょう。(濡れ防止
また、周囲を見渡せますので、私は職業柄、傘を差していたほうが、背後のお客さんや前方のルートにも目を向けやすく、周囲の状況を把握しやすいのです。(安全性

そんなわけで、傘はデメリットをしのぐメリットがあるのだと思うのです。
⑤に関しては、傘の柄の長いものを選ぶことがポイントですが、それとは別に、フリーハンドのテクニックもあります。
私がよく使っているのですが、傘の柄の部分を、ザックのチェストベルトで留めてしまうそいうもの。これで、けっこう固定されてしまいますが、歩いていると下にずれてきますので、小さなカラビナを使って、柄についている紐とザックのベルトに固定してしまえば、手を離してもずれずに歩くことができます。あとは補強でストックなどをちょっと伸ばしてザックにつけておけば、傘を支持して安定します。
これだと、両手がフリーになって、快適です。(下写真)

さて、傘を使ってみたくなったら、その選び方を紹介します。
ポイントは、
A:100g台の軽量なもの
B:柄は長いもの
C:傘の広さは広いほうがいい
D:骨組みは新型のものが壊れにくい
E:骨組みは6本より8本のほうが頑丈
F:グリップは大きくて太いほうが疲れない
こんなところでしょうか。
とにかくまず、『A軽さ』は重要です。片手で長時間もっていられるものは軽いに越したことはありません。また『Fグリップ』もその形状で、ずいぶんと軽さ(持ちやすさ)が変わってきます。そして『B柄の長さ』、の場合も長時間使用を考慮すると、手を高く上げなくてはならない短いものではダメです。
『C広さ』は、ザックなどの濡れに対しては広いほうが快適です。ただ、風にあおられやすいのですが。
『D/E』は強度の問題です。とくに『D骨組み』のカーボンなどを利用した新型骨組みは、傘が風でおちょこのように反対向きになっても、壊れにくい構造をしています。
そんなこんなで、ヤマケイで選んだ「傘ベスト3」が、これだ…(ワンツースリー)。

1:スノーピーク アンブレラUL
8本の骨組みながら、133gと軽量で、柄も長く、このクラスでは最も幅広の傘。グリップが小さいのが残念ですが、堂々1位
2:キャラバン トラベルレインシェード
グリップが大きく、軽い!6本骨でカーボン仕様の110g。広さこそ狭いがかなり上出来の傘です。グリップにはコンパスが付いてます
3:モンベル ULトレッキングアンブレラ
やっぱりモンベルはすごい、とうならせる傘。8本骨・アルミの軽量165gは、見た目も丈夫そうです。ストラップが柄ではなく、傘の頭?についているのが特徴。収納らくらく

他にも、100gを切る軽量傘(エバニュートレッキングアンブレラ)や、カラーバリエーション豊富なTOTESのブレラタイニーなど、オススメです。



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